小売店は、流通の仕組みの中で私たちの生活に欠かせない重要な役割を担っています。

しかし、小売店の概念がいまひとつ理解できていない、他の業種との違いが分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、小売店とは何かに加え、卸売業との違い、さらに代表的な業態とその特徴を紹介していきます。

小売店業界が抱える課題についても解説しますので、ぜひ最後までご一読ください。

小売店とは？

小売店とは、卸売業者から商品を仕入れて消費者に販売する形式の店のことです。
スーパーマーケットやコンビニ、百貨店などの身近な店舗が小売店に該当します。

一般消費者に向けて商品を直接販売する「流通の最終ランナー」として、商品の売り場づくりや接客、アフターサービスといった業務を行います。

また、消費者のニーズに合わせて商品を適切なタイミング・量で提供する役割も担っています。

小売店と卸売業との違い

小売店と間違われやすい事業として、卸売業が挙げられます。

卸売業はメーカーと小売業の間に入り商品を仕入れる業態で、消費者ではなく小売店に販売する点が特徴です。

小売店がBtoC（Business to Customer）のビジネスモデルであるのに対し、卸売業はBtoB（Business to Business）のビジネスモデルが中心です。

また、小売業は販売単位が1個からであることが多いのに対し、卸売業はケースやロットでの販売と、大口での販売が多い傾向にあるのも大きな違いです。

ただし、近年では、もともと卸売業でありながらも、消費者に直接商品を販売する小売店としての役割を兼ねる店も増えているため、明確に分けることが難しい場合もあります。

小売店の代表例と特徴を紹介

小売店は、取扱商品や店舗の規模、立地、販売方法などによって様々な業態に分類されます。

以下では、特に代表的な5つの業態とその特徴について解説します。

• コンビニエンスストア
• スーパーマーケット
• 百貨店
• 専門店
• 無店舗販売店（ECサイト など）

小売店の代表例①コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは、総務省の定義によると「主として飲料食品を中心とした各種最寄り品をセルフサービス方式で小売する事業所で、店舗規模が小さく、終日又は長時間営業を行う事業所」とされています。

日々少量の買い物を行う消費者が多いため、コンビニエンスストアでは多頻度・少量単位での商品補充が行われるという特徴があります。

その分、ATMや公共料金の支払い、宅配便受付など多様なサービスを提供し、消費者の利便性を高めています。

小売店の代表例②スーパーマーケット

スーパーマーケットは、日用品や食料品といった商品を中心に取り扱う小売店です。

低価格と豊富な品揃えが強みで、週に数回まとめ買いをする消費者が多いのが特徴です。

中には衣料品や住居関連品なども幅広く扱う大型店が存在しており、消費者の幅広い需要に応えています。

小売店の代表例③百貨店

百貨店は、比較的高めの価格帯の商品が多く、ハイブランドの商品や高級品・ギフトといった品揃えが中心の小売店です。

手厚い接客が行われており、優良顧客に対して専属の担当者が直接訪問する「外商」というシステムがあることも特徴です。

主要都市の中心部やターミナル駅の周辺に立地していることが多く、消費者に非日常の体験を提供しています。

小売店の代表例④専門店

専門店は、特定の商品カテゴリーやブランドに特化した小売店のことを指します。

アパレルブランドから家具、家電、園芸など幅広い分野の専門店が存在し、特定の分野での品揃えの深さが特徴的です。

ターゲットが限られる分、専門知識のあるスタッフが求められる点が他の小売店との大きな違いとなっています。

小売店の代表例⑤無店舗型販売店（ECサイトなど）

ECサイトを含む無店舗型販売店は比較的新しい小売店業態で、インターネット以外にもカタログやテレビ、ラジオショッピングなどを介して販売を行っています。

実店舗を持たないため基本的に接客やレジ対応といった人件費がかからず、個人でも経営を始められるのも特徴です。

時間の制約がなく、実店舗よりも圧倒的に多い種類の商品を取り扱える点も特徴です。

小売店の抱える課題と問題

消費者ニーズが多様化し、購入チャネルもオンライン・オフラインと複雑化する中で、小売店はこれまで以上に多くの課題に直面しています。

また、商品力だけで選ばれにくくなった現在、従来の運営方法のままでは売上や顧客満足度を維持することが難しくなりつつあります。

ここでは、小売店が現在直面している主な課題を3つにまとめ、それぞれの背景について解説します。

人手不足による生産性の低さ

小売店では、レジ打ちや品出し、在庫管理や棚卸といった様々な日常業務がありますが、業界では長年、人手不足が問題となっています。

少子高齢化が進んだことで優秀な人材の確保や定着がさらに難しくなっており、長時間営業や夜間勤務が必要な店舗では特に深刻な人材不足が見られます。

また、専門店や百貨店では、作業スキルに加えて専門知識や高いコミュニケーション能力が必要となるため、人材確保がより難しくなっています。

消費者行動の変化

インターネットやSNSの普及に伴って、消費者の行動が大きく変化していることも小売店の抱える問題のひとつです。

消費者はこれまで実店舗で商品を購入するのが一般的でしたが、近年ではECサイトで徹底的に商品をリサーチし、比較検討の末に安く購入するケースが増えています。

実店舗の役割や価値の見直しが求められています。

また、SNSの普及により、口コミやレビューが購買決定に大きな影響を与える傾向にあり、小売店に求められるものも変化しています。

小売店は自社の販売する商品の特性に合わせてECサイトにはない価値を提供していく必要があるでしょう。

DX化が遅い

近年、多くの業種においてDX（デジタルトランスフォーメーション）化が進んでおり、業務の効率化や人手不足解消が進んでいますが、小売店ではDX化への対応が遅れています。

その理由としては、DX化推進と運用を担う人材そのものが不足していることや、初期投資に予算を割くことができない中小小売店が多いことが挙げられます。

DX化を進められないと、消費者の購買データや在庫データなどを管理できないため、店舗運営やマーケティングにデータを活かすことができません。

また、集計ミスや在庫管理における間違いも生まれやすく、機会損失が生まれてしまうことも問題の1つです。

小売店の課題解決にはDX推進が必須

小売店業界が抱える課題や問題についてお伝えしましたが、人手不足の解消や消費者行動の変化に対応するためにも、DX化の推進が欠かせません。

小売店のDX推進には、店舗のQSCチェックツール「キロクル」がおすすめです。

DX推進におすすめのツール「キロクル」

小売店のDX化には、QSCチェックツール「キロクル」がおすすめです。

「キロクル」は、店舗のQSC（「Quality（品質）」「Service（サービス）」「Cleanliness（清潔さ）」）のチェックをスマートフォンアプリで簡単に実施できるツールです。

得られたデータをリアルタイムで自動集計し、自動でレポートに出力できるため、常にお店の状況を把握・共有することができます。

作業時間が70%削減されるなど生産性の向上に大きく貢献するだけでなく、消費者行動を細かく読み取ることができるアンケート機能も備えています。

アンケート結果はリアルタイムでキロクルのダッシュボードに反映されるため、即座に改善指示を店舗に送ることが可能です。

キロクルは、あらゆる小売業態が抱える課題を解決し、生産性の向上と顧客体験の最大化を両立させるための強力なツールと言えるでしょう。

小売店とは？卸売業との違いや代表例・今後の課題について解説 | まとめ

今回は、小売店とは何かという定義から、卸売業との違い、代表例や問題点について解説いたしました。

一口に小売店と言っても業態によって特徴は異なり、ターゲットとなる消費者の層や、従業員に必要なスキルは異なりますが、現代社会において「人手不足」「消費者行動の変化」「DXの遅れ」という課題に直面しています。

顧客満足度の向上・従業員の成長を実現するためには、自社に合ったDX推進ツールを活用し、社会の変化に柔軟に対応することが求められていると言えます。