QSCとは、飲食店における重要な指標の1つです。
しかし、具体的にどのように取り組めばよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、QSCを向上させることの重要性と実際に行うべき施策案を5つご紹介します。
自店舗のQSCを向上させたい、しかし「具体的な施策案が思い浮かばない」「効率よくQSCに取り組みたい」と考えている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
QSCとは?飲食店経営における指標

QSCとは、飲食店経営を成功させるために重要になる指標のことで、次の3つの頭文字を取った言葉です。
- Quality(クオリティ):品質
- Service(サービス):接客
- Cleanliness(クレンリネス):清潔さ
飲食店では、この3つの項目を欠くことなく常に高い状態に保つことが必要とされます。
Quality(クオリティ):品質
Quality(クオリティ)とは、提供する料理やドリンクの品質のことを指します。
具体的には、料理の味や盛り付け、食材の新鮮さ、ボリューム、温度などが該当します。
他にも、料理の提供スピードや価格なども品質に含まれ、言わば料理に関する全ての項目をQualityでチェックします。
調理する従業員や店舗、時間帯によって品質の差が出ないようにすることも重要です。
Service(サービス):接客
Service(サービス)とは、顧客に対する従業員の接客の質のことを指します。
具体的には、予約時の対応、入店後の挨拶や案内、店内での接客態度、退店時のレジ対応やお見送りなど、顧客に関わる従業員の言動全てが該当します。
特に接客態度の面では、話し方だけでなく表情やコミュニケーションの取り方なども重要になります。
顧客のニーズを読み取り、柔軟に対応することが求められます。
Cleanliness(クレンリネス):清潔さ
Cleanliness(クレンリネス)とは、店舗やスタッフの清潔さを意味します。
飲食店では、口に入れるものを取り扱うため、特に気をつけるポイントと言えるでしょう。
顧客の目に触れる入り口やテーブル、トイレの清潔感は、安心感を持って食事を楽しむことに繋がります。
反対に清潔感のないお店では「また来たい」という再来店意欲が生まれにくく、リピート客の獲得が難しくなります。
店内だけでなく、スタッフのユニフォームや身だしなみにも気を配ったり、客席からは見えない調理場の衛生管理も徹底して行うようにして、お店全体を清潔に保つように意識しましょう。
QSCを向上させることの重要性

飲食店においてQSCを向上させることは非常に重要です。
QSCを向上させることで顧客満足度が高まり、お客様が増え、売上アップに繋がります。
QSCが高いお店では、顧客はよい印象を持ち「また来たい」と思うでしょう。
また、満足した顧客が口コミやSNSで「このお店よかった!」とポジティブな意見を発信することで、集客にも絶大な効果を発揮します。
膨大な広告費を投入するよりも、はるかに効率的に売上を増やすことができるのです。
QSCは従業員満足度(ES)にも関係する
QSCと従業員満足度(ES)は、相互に作用し合い、どちらも向上します。
ESは、福利厚生を充実させる、表彰制度を設ける、清潔感のある労働環境を保つなどの施策で向上させることができます。
これにより従業員は前向きに仕事に取り組むようになります。
従業員が前向きになれば、QSCへの取り組みにも積極的に協力するようになります。
結果として、ESを高めることがQSC向上にも繋がるのです。
また、QSCが向上することで顧客から感謝されたり喜んでもらえたりする経験は、従業員の誇りや充実感、お店への愛着心に繋がります。
QSCを向上させる具体的な施策案

飲食店におけるQSCの重要性は理解しているけど、実際にどのような施策を行っていけばいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
QSC向上を図る具体的な施策案を5つ紹介しますので、まずはできるところから1つずつでも取り入れてみてください。
- 顧客アンケートを取り、結果を分析、課題を明確化する
- マニュアルやチェックシートの作成、導入
- 定期的なトレーニングの実施
- 毎日のミーティングの実施
- 店舗やユニフォームのクリーニング
顧客アンケートを取り、結果を分析、課題を明確化する
QSC向上のためには、まず顧客の声を聞くことが重要です。
アンケートを実施し、顧客目線の意見や本音などを知ることで、自店舗の強みと改善点を明確化することができます。
また、強みはアピールポイントとなるため、さらに伸ばす取り組みを行い、改善点は早急に対策を立て実施していきましょう。
結果を分析し自店舗の課題を明確化することで、より効率的にQSC向上を図れるようになります。
アンケートの実施方法
アンケートは、オンラインでの実施や店内でのアンケート用紙への記入などで行うといいでしょう。
アンケート項目は、下記の項目について取るようにしましょう。
- 料理の味
- 従業員の接客態度
- 店内の清潔感
QSCのそれぞれの項目に直結するようなものを組み込むと、より課題を明確化しやすくなります。
基本的には5段階評価にして、重点的に取り組みたい項目や意見を吸い上げたい項目は記述式にすると、具体的な施策案の考案に役立ちます。
アンケート回答者にクーポンの配布や特典を用意することも、回答を促すおすすめの方法です。
マニュアルやチェックシートの作成、導入
QSCを効果的に実施していくには、従業員全員が同じ基準で行動する必要があるため、マニュアルやチェックシートは必要不可欠となります。
マニュアルは誰が見てもわかるように、写真や映像を使って作成すると効果的です。
また、アンケートなどの改善項目に沿って、定期的な見直しも図りましょう。
チェックシートを導入することで、QSCの実施状況を把握しやすくなり、問題点も特定しやすくなり、適切な施策を講じることが可能になります。
チェックは従業員、店長などの責任者、本部など様々な視点から同じ項目を確認することで、より課題を浮き彫りにすることができます。
定期的なトレーニングの実施
マニュアルの配布だけでなく、実際にロールプレイングを行うなどのトレーニングも必要です。
トレーニングを行うことで、従業員のスキルや理解度が向上したり、イレギュラーな事態への対応がしやすくなったりします。
具体的には、以下のようなトレーニングを行うとよいでしょう。
- お客様役を疑似体験することで、顧客目線を持つことができる
- ケーススタディによる実践的なトレーニングで対応力アップ
トレーニングは一度行えばいいという訳ではなく、定期的に行うことでより効果を発揮します。
毎日のミーティングの実施
QSC向上のためには、本部や店長だけでなく、従業員全員が自分事と捉え、実行していくことが重要です。
従業員に自分事と捉えてもらうには、日々の取り組みの振り返りと事例の共有を行ったり、優れた取り組みをした従業員を表彰するなどでポジティブな動機付けを行ったりすることが有効です。
これは従業員のモチベーションを高めることにも繋がります。
顧客アンケートやチェックシートの結果を基に原因や対策を考え、再度共有し、実践につなげていきます。
このようにPDCAサイクルを常日頃から回していくことで、継続的にQSCの向上が図れるでしょう。
店舗やユニフォームのクリーニング
店舗やユニフォームのクリーニングを、定期的に専門業者へ依頼することもQSC向上の方法です。
店舗の基本的な清掃は毎日行っていても、飲食店では油汚れなど普段の清掃では落とし切れない汚れが残ることがあります。
専門業者に依頼することで、より安心・安全な環境を保つことができます。
また、ユニフォームも襟や袖などの黄ばみは、通常の洗濯では取りづらいため、クリーニング業者に依頼するといいでしょう。
より清潔な状態に保つとともに、従業員の負担軽減にも繋がり、ES向上にも寄与します。
QSC向上にはチェックツールの導入がおすすめ

より効率的にQSCを向上させるには、チェックツールを導入するのがおすすめです。
チェックツールを活用することで、本部への報告業務が軽減されたり、管理がしやすくなったりします。
簡単に操作できたり、視覚的にもわかりやすいツールが多いため、店舗の従業員の業務負担軽減にも繋がります。
QSCチェックツールなら「キロクル」

QSCに特化したおすすめのチェックツールは「キロクル」です!
「キロクル」では、次のような機能が利用できるため、業務の効率化を図りつつ、しっかりとQSC対策を行えます。
- スマートフォンアプリを使って簡単にチェックを実施できる
- チェック状況をリアルタイムで集計、自動でレポート化が可能
- 本部からの指示や店舗からの報告もアプリで一元管理、リアルタイム共有ができる
- お客様アンケートの実施、集計、分析も可能
ぜひ、「キロクル」を導入して、QSC向上から売上アップに繋げていきましょう。
飲食店のQSCを向上させる方法とは?|まとめ
飲食店においてQSCを向上させることは、顧客満足度を上げ、顧客を増やし、最終的には売上アップに繋がるため、非常に重要視されています。
QSCを向上させる具体的な施策案として、次の5つを紹介しました。
- 顧客アンケートを取り、結果を分析、課題を明確化する
- マニュアルやチェックシートの作成、導入
- 定期的なトレーニングの実施
- 毎日のミーティングの実施
- 店舗やユニフォームのクリーニング
まずは1つずつでも実践し、店舗内でQSCへの取り組みを常態化させることが必要です。
より効率的に行いたいのであれば、チェックツールの導入も検討しましょう。

