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系列店とは?チェーン店やフランチャイズとの違いを解説!

多店舗展開を進めるにあたり、「系列店」「チェーン店」「フランチャイズ」など、どの手法を取るべきか迷う経営者も多いのではないでしょうか。

それぞれの形態には仕組みやリスク、運営の自由度に違いがあり、自社の成長戦略に合った選択が重要です。

本記事では、系列店とは何かを基礎から解説し、チェーン店・フランチャイズとの違いや、各形態のメリット・デメリットを整理します。
さらに、多店舗経営を効率化するためのツール活用についてもご紹介します。

系列店とは

注文するお客さんとそれを聞くスタッフ

系列店とは、会社やブランドが運営する複数の店舗を指します。

これらの店舗は、運営元が展開するブランド名やロゴ、商品、サービスなどを取り扱うことができ、全体として一貫したスタイルで運営される点が特徴です。

例えば、すかいらーくグループが運営する「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」などは、それぞれ異なる業態を持ちながらも同一グループの系列店にあたります。

つまり、経営母体が同じであれば、店舗名や業態が異なっていても系列店に含まれます。

【例】運営元:すかいらーくグループ
   系列店:ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉など多数

系列店のメリット

系列店を展開することには、以下のような利点があります。

  • ブランドの一貫性があり安心感を与えられる
  • 経営スタイルが統一されているため運営しやすい
  • 様々なコストを抑えることが可能

ブランドの一貫性があり安心感を与えられる

同じブランド名を使用することができるため、どの店舗でも似たような商品やサービスを提供することが可能です。

統一されたブランド名やサービスを提供することで、顧客に「このブランドなら安心」という信頼を与えられます。

より良い系列店舗を増やすことでブランド全体の価値向上にもつながるでしょう。

経営スタイルが統一されているため運営しやすい

系列店では、経営方針や理念、経営戦略などが統一されており、運営元が一括管理しているため、現場の運営が標準化されます。

そのため、店舗によっての接客やサービスの質の違いが少なく、プロモーションも一貫していることが多いです。

ノウハウをそのまま引き継ぐことができるため、各店舗の負担も減ります。

様々なコストを抑えることが可能

系列店は、本社によって大規模に運営されているため、各店舗による仕入れによるコストや人材育成にかかる費用を抑えることが可能です。

また、広告・販促活動もブランド単位で行えるため、各店舗のコストを抑えながら効率的に運営できます。

系列店のデメリット

系列店を展開するメリットがある一方で、デメリットも存在します。

  • 各店舗の独自性が出しにくくなる
  • 地域特性に合わせた価格設定やメニュー変更が難しい
  • ブランド全体の評判が、個別店舗のトラブルに影響を受けやすい

系列店ではブランド統一を重視する分、店舗による独自性が生まれにくかったり、地域によって価格を変えたりできないというジレンマに陥ることもあります。

また、1店舗の評判が全体に影響を及ぼすため、全店舗で品質を維持する仕組みづくりが重要です。

チェーン店とは?系列店との違い

?マークがかかれた積み木

系列店と混同されやすいのが「チェーン店」です。

チェーン店とは、同じブランド名・店舗名で複数店舗を展開する経営形態を指します。
系列店は、企業が同じであれば、ブランドや提供ジャンルは問いません。

つまり、系列店は「企業全体」での展開、チェーン店は「ブランド単位」での展開という違いがあります。

系列店 チェーン店
ブランド構成 複数ブランドを展開する場合がある 同一ブランドで統一
店舗名 異なる場合もある 原則同一
経営形態 同一企業内で多業態展開 同一ブランドを複数展開

チェーン店の種類

チェーン店には次のような3種類に分類することができ、展開の仕方や運営の仕方が異なります。

  • 直営チェーン:本部が全店舗を直接運営
  • フランチャイズチェーン:本部と契約を結んだ加盟店がブランドを運営
  • ボランタリーチェーン:複数の独立店舗が協力して本部を設立・共同運営

この記事では、自社が主体となって運営する「直営チェーン」を中心にご紹介していきます。

直営チェーン店のメリットとデメリット

直営チェーン店は、系列店の中でも本部がすべての店舗を直接運営する形態であるため、経営方針やブランドイメージを統一しやすく、効率的な管理が可能です。

一方で、各店舗の裁量が小さく、自由度が低くなるという特徴もあります。

【メリット】

  • ブランドの一貫性があり安心感を与えられる
  • 経営スタイルが統一されているため運営しやすい
  • 様々なコストを抑えることが可能

【デメリット】

  • 店舗の独自性が薄くなる
  • 価格設定が難しい
  • 運営元の経営状況やブランドの評判の影響を受ける

フランチャイズとは?系列店との違い

飲食店の店内

系列店と混同されやすい形態としてもう一つ挙げられるのが「フランチャイズ」です。

フランチャイズは、チェーン店の一種であり、本部と加盟店オーナーが契約を結び、ブランド名や商標、ノウハウを利用して店舗を運営する仕組みを指します。

系列店や、直営チェーン店は本部が直接すべての店舗を運営するのに対し、フランチャイズは加盟店オーナーが契約のもとで運営を行います。

そのため、系列店は「統一性を保ちやすい」、フランチャイズは「出店スピードを高めやすい」という違いがあります。

系列店との主な違いは以下の3点です。

  • 経営は加盟店オーナーが行う
  • 加盟店はブランドやノウハウを利用するために加盟料やロイヤリティを支払う
  • 出店費用は加盟店側が負担する

【例】マクドナルド、カレーハウスCoCo壱番屋、ドトールコーヒー

フランチャイズのメリットとデメリット

フランチャイズは、本部と加盟店が契約を結び、ブランド名や経営ノウハウを共有して運営する形態です。
加盟店は本部のサポートを受けながら、自店舗の特色を活かした経営ができる点が特徴です。

【メリット】

  • ブランド名やノウハウを活用できるため、運営を軌道に乗せやすい
  • 本部は少ないコストで多店舗展開が可能
  • ロイヤリティ収入により安定した利益が見込める

【デメリット】

  • 加盟店は売上が低い場合でもロイヤリティの支払いが必要
  • 加盟店の不祥事などでブランド全体の評価が下がるおそれがある
  • 契約内容によっては経営の自由度が制限される

業態の違いと選び方まとめ

飲食店のスタッフが2人、腕を組んで立っている様子

ここまで紹介した「系列店」「直営チェーン」「フランチャイズ」は、いずれも多店舗展開の有効な手段ですが、目的やリソースによって最適な形は異なります。

それぞれの特徴と、どのような企業に向いているかを整理してみましょう。

系列店|ブランドを一体的に育てたい企業におすすめ

系列店は、同じ企業が複数のブランドや業態を統括して展開する形態です。

そのため、本部の統制が効いており、ブランドの一貫性や品質を維持しやすい点が魅力です。

複数のブランドを戦略的に育てたい企業、または多角経営を目指す企業には適している一方、各店舗やブランドの自由度が低く、独自性を出しづらい点が課題として挙げられることもあります。

直営チェーン|品質管理とブランド統一を重視する企業におすすめ

直営チェーンは、本部がすべての店舗を直接運営する形態です。

経営方針・接客品質・価格設定を本部で統一できるため、安定したブランド体験を提供できます。

品質管理や顧客満足度を重視したい企業、少数精鋭でブランド価値を高めたい企業には向いていますが、すべてのコストを本部が負担するため、リスクと初期投資が大きくなりがちです。

フランチャイズ|スピードと規模拡大を狙う企業におすすめ

フランチャイズは、加盟店オーナーが出店・運営を行い、本部がブランドやノウハウを提供する仕組みです。

本部は出店費用を抑えつつ、短期間で多店舗展開できるのが最大の利点です。

成長スピードを重視する企業や、全国規模での展開を目指す企業に向いていますが、加盟店の運営品質がブランド全体に影響するため、契約内容やサポート体制の整備が不可欠です。

多店舗展開するならITツールの導入がおすすめ

飲食店の厨房で働く女性

ここまで、系列店・チェーン店・フランチャイズの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説してきました。

どの形態で多店舗展開を行う場合でも、全店舗で品質を統一し、情報を正確に共有できる仕組みづくりが欠かせません。

近年では、こうした課題を解決する手段としてITツールの導入が注目されています。

手軽に情報共有・一括管理で便利なQSCチェックツール

ITツールには、情報共有をスムーズにするものや、顧客・従業員の管理を効率化するものなど、さまざまな種類があります。

これらの中でも、店舗運営の品質管理を強化したい場合に特におすすめなのが、QSCチェックツール「キロクル」です。

QSCチェックツールを活用すれば、店舗ごとの接客や品質のばらつきを抑え、ブランドイメージを守りながら顧客満足度を高められます。
効率的な多店舗経営を実現するための、今や欠かせないITツールといえるでしょう。

\QSCチェックをより効率的に/ キロクルの詳細はこちら

QSCチェックをデジタル化し、現場の状況を正確に可視化

これまで紙のチェックシートを使っていた店舗では、報告漏れや集計ミス、確認の遅れが起きやすく、改善までに時間がかかっていました。

キロクルを導入することで、スマホやタブレットから簡単に入力でき、その場で結果が共有されます。

「今、どこで何が起きているか」が本部でもすぐに見えるため、早い段階で改善指示を出せるようになります。

記録が自動で蓄積されるので、分析のための工数を減らせたり、店舗の成長やスタッフの努力を“見える化”できる点も大きなメリットです。

写真・コメント付きで「伝わる」コミュニケーション

「清掃が不十分」「陳列が乱れている」といった報告も、文字だけでは伝わりづらいものです。

キロクルなら、チェック項目ごとに写真やコメントを添付できるため、現場の状況をそのまま共有できます。

たとえば「テーブルの拭き残し」も写真1枚で伝わり、誰が見ても改善ポイントが一目でわかります。
スタッフも「指摘される」から「気づける」へと意識が変わり、現場のモチベーション向上にもつながります。

全店舗のデータを一元管理し、経営判断をスピーディーに

複数店舗を運営していると、「どこが好調で、どこに課題があるのか」が見えにくくなりがちです。

キロクルでは、全店舗のチェックデータを自動で集計し、スコアや改善履歴を一覧で確認できます。
店舗ごとの強み・弱みを数字で把握できるため、次の方針や施策を立てる判断が早くなります。

「現場任せの感覚的な経営」から「データに基づく経営」へと移行できる点が、多くの企業に支持されている理由です。

系列店とチェーン店・フランチャイズ店舗の違い|まとめ 

今回は、飲食店における系列店とは何か、そしてチェーン店やフランチャイズとの違いについて解説しました。

それぞれの展開方法にはメリットとデメリットがあり、自社の経営方針や成長ステージによって最適な形は異なります。

ブランドの一貫性や品質を重視するなら系列店・直営チェーン、スピード感をもって事業を拡大したいならフランチャイズが向いているでしょう。

いずれの形態を選ぶ場合でも、複数店舗の品質を安定させる仕組みづくりが重要です。

そのためには、情報共有やチェック体制を支えるQSCチェックツールなどのIT活用が欠かせません。
デジタルの力を取り入れ、持続的に成長できる多店舗経営を目指しましょう。

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