コラム

Column

QSCとは?店舗経営に欠かせないQSCの基本とチェック項目を紹介

QSCとは、飲食店やサービス業において顧客満足度を高める上で重要な指標である3つの言葉の頭文字をとった言葉です。

【Quality:品質】
【Service:サービス】
【Cleanliness:クレンリネス (清潔さ)】

飲食店やサービス業において導入され続けているQSCですが、具体的にどういった事を行えば良いのでしょうか?

この記事ではQSCの事をひとつずつ解説しつつ、具体的に行うべきQSC施策やそのメリット、店舗経営に欠かせない施策ポイントまで徹底解説します。

是非最後までご覧ください。

店舗経営で重要!QSCとは?

パソコンを操作している様子

前述いたしましたが、QSCとは主に飲食店やサービス業などが、顧客満足度を高める為に行うべき指標です。

● Quality:品質
● Service:サービス
● Cleanliness:クレンリネス(清潔さ)

の3つから主に構築され、それぞれの指標をチェックする事で顧客満足度を高め、より良い店舗運営を行います。

クオリティ(Quality)

クオリティは、商品の品質を高めるなどの指標を指します。

QSCでのクオリティが示すものは、主に以下のようなものが当てはまります。

「同じ品質」
「同等の調味料の使用」
「同じ調理手順・提供温度・提供速度」

提供する料理や商品の食材の鮮度、味、そして見た目などのクオリティを上げる事が挙げられます。

サービス(Service)

サービスはお客様への接客対応や店舗運営の仕組み化など、顧客体験全体の質を高める指標を指します。

QSC上のサービスが示すものは、以下のようなポイントです。

「スタッフの挨拶や声掛けの一貫性」
「注文から提供までのスピード」
「お客様の要望への柔軟な対応と心遣い」

丁寧な接客マニュアルや定期的なスタッフトレーニングを行い、サービスクオリティを統一することで、顧客満足度が大幅にアップします。

接客の丁寧さ、心遣いやスタッフ教育やマニュアルの重要性にも触れる必要があります。

クレンリネス(Cleanliness)

クレンリネスは店舗内外の衛生管理や清掃状態を美しく維持することで、安心感を提供する指標を指します。

QSC上のクレンリネスは、以下のような要素を示します。

「フロアやテーブルのこまめな清掃」
「トイレやバックヤードの徹底した衛生管理」
「調理場・備品の衛生チェック体制」

定期的なチェックリストの導入や消耗品の適切な交換を徹底することで、店舗の清潔感が向上し、お客様の信頼獲得と口コミ評価の向上にもつながります。

コロナ禍以降、特に重要度が増しているQSC事項でもあります。

QSCを向上させるための具体的な取り組みについて

店舗の内装イメージ

現場でQSCを維持・向上させるには、「見える化」と「習慣化」が不可欠です。

これらを徹底することで、スタッフ一人ひとりの行動が揃い、店舗全体のサービスレベルが安定していきます。

ここからはQSCを「見える化」し、「習慣化」するために効果的な具体的な取り組みを紹介します。

見える化と習慣化で現場にQSCを根づかせる方法

どんなに優れたマニュアルがあっても、実際の現場で継続的に実践されなければ意味がありません。

そこで有効なのが、「誰が見ても状況が分かる=見える化」と「毎日自然と実行できる=習慣化」の仕組みづくりです。

以下に、QSCを実現するための具体的な取り組みを紹介します。

● 定期ミーティングを行い振り返り
● 毎朝・閉店前に5分ずつQSCチェックを全員に共有
● デジタル日報やチェックリストを導入
● OJT&Off-JTの組み合わせ教育
● 新人は先輩同行で「15分ロープレ」+Eラーニング動画で要点復習
● 月1回の全体研修でうまくいった事例の共有や接客のロールプレイを実施
● PDCAサイクルの明確化
● 週次レポートでKPI(リピート率/クレーム件数/清掃漏れ件数など)を必ずチェック
● 改善案はスケジュール付きでタスク化し、月末に“達成度”を見える化

こうした仕組みを整えることで、QSCは一部の人だけがやるものではなく、店舗全体で自然に実践される習慣として根付いていきます。

QSCを視点別チェックリストで現場を強化しよう

カフェでの接客風景

先ほどはざっくりとそれぞれのQSCを行う上での大まかなチェックリストをご紹介いたしましたが、QSCには「クオリティ」「サービス」「クレンリネス」と3つの指標が存在するため、それぞれに特化したチェックを行う必要があります。

ここからは、QSCの3つの指標ごとに具体的なチェック項目を確認しながら、実際の現場でどのように活用していくかを解説していきます。

クオリティ(Quality)のチェックリスト

まずクオリティのチェックですが、以下の例が挙げられます。

● 食材の鮮度チェック(日付・時間の記録)
 → 必ず日付や時間を記録し、鮮度が落ちていないかチェック

● メニューごとの味見(温度・味・盛り付け)
 → 一貫性のある味と見た目を保つため、定期的にスタッフ同士でチェック

● 調味料や食材のロット統一確認
 → 品質トラブルを防ぐため、同じロットでの使用を徹底

● 調理手順書の遵守(タイマー記録含む)
 → 調理ミスを防ぎ、常に安定した品質を保つための重要な取り組み

● 提供温度・提供スピードの測定(注文から提供までの平均時間)
 → お客様の満足度に直結するポイントなため、定期的に数値の見直し

特に食材の鮮度管理は、クオリティの根幹をなす重要な項目です。

「ちょっとくらい大丈夫」といった自己判断で使用を続けてしまうと、食中毒など重大なトラブルに繋がる恐れがあります。

少しでも不安があるものは廃棄をするなど、衛生面の信頼を守る意識を持ちましょう。

サービス(Service)のチェックリスト

サービスの質は、リピート率や口コミにも直結する重要ポイントです。以下の項目を基準に、日々の接客スキルを可視化&底上げしていきましょう。

● 出迎え挨拶のトーン・文言チェック(声の大きさ測定)
 → 明るくハキハキとした第一声が重要

● 注文応対の正確性(オーダーミス件数を記録)
 → 注文内容の復唱や確認を徹底し、ミスを限りなくゼロに

● 提供時の笑顔&アイコンタクト実施確認
 → 無言・無表情はNGとし、商品と一緒に『感じの良さ』も届ける意識を

● お客様要望ヒアリング&メモ残し率チェック
 → 苦手な食材やお子様連れなど、細かな配慮を次回に活かせるよう記録

● 会計・お見送りのタイミングと一言添え率
 → 「ありがとうございました、またお待ちしております」など気持ちよく締める習慣付け

お客様との接点でどれだけ「心地良い体験」を提供できるかが、店舗の印象を大きく左右します。

また、接客は「慣れ」が出やすい分、手抜きなどもしやすい部分です。

だからこそ、定期的なロールプレイや先輩からのフィードバック、そして接客が上手い人の真似をするなどの工夫をし、「言えてるつもり」「できてるつもり」をなくしていきましょう。

クレンリネス(Cleanliness)のチェックリスト

「清潔感」は、お客様の目に見える安心感として直接伝わる大事なポイントです。

以下の項目を軸に、「清掃=誰かがやる」ではなく「全員で守る」意識を持ちましょう。

● フロア・テーブルの清掃チェック(目視+ホコリふき取り)
 → 食事前後にパッと見て「清潔」と感じられる状態を保つ

● トイレ衛生点検(清掃タイムスタンプ+消耗品補充)
 → 最も印象に残りやすい場所。1日数回の確認がベスト

● 調理場・バックヤードの器具・床の衛生確認
 → 油汚れ・水はねなど、蓄積すると事故やクレームのもとに

● 手指アルコール設置&補充状況チェック
 → 衛生対策の象徴。お客様も見ているポイント

● ゴミ回収・排出ルール遵守状況(分別漏れゼロを目指す)
 → バックヤードやゴミ捨て場の整理整頓は、従業員の意識にも繋がる

どんなに美味しい料理の提供や丁寧な接客を受けても、店内が汚れていたら全て台無しです。

これらのチェックは、毎日・週次・月次で回していきましょう。

「やったかどうか分からない」を防ぎ、日報システムにしっかり記録するなど、「うちの店、ちゃんとしているよね」と、胸を張れる状態をキープしましょう。

従業員の満足度の向上にも取り組む

もちろん、こういったQSCの水準を高め、安定的に運用していくためには、現場で働く従業員一人ひとりの満足度にも目を向けることが大切です。

スタッフ一人ひとりが、「この職場で働きたい」「お客様に喜んでもらいたい」と思える環境でないと、クオリティ・サービス・清潔さすべての質が下がるといっても過言ではありません。

従業員の満足度向上のためには、働きやすいシフト体制や業務フローの見直し、スタッフの頑張りを正当に評価する仕組み作りや定期的な面談実施などが挙げられます。

やりがいを感じられる職場をつくることで、QSCの実践が形だけでなく『意味のあるもの』として強く根づいていきます。

QSCを徹底することによるメリット3選

カフェの店員

飲食店やサービス業を行う上で重要なQSCですが、なぜ売り上げアップに直結する重要な事項と言われているのでしょうか?

それは、リピーターや高評価レビューを得るための土台作りになるからです。

QSCの低下は離客・悪評の原因につながるため店舗内で確立していない場合は、取り組むようにしましょう。
ここでは、QSCを徹底する事で得られるメリットについて紹介します。

メリット①|顧客のリピート率アップ

QSCを徹底すると、「いつ来ても同じクオリティ・サービス・清潔感」というのがお客様の中で保証されるため、リピート率が飛躍的に向上します。お客様の安心感は店舗への信頼に繋がるため、再来店率の向上と売り上げアップへと繋がります。

数字で見た際、リピート率が1%上がるだけで売上が数%伸びるケースもあるため、QSCを徹底的に管理する事は非常に重要な事だと言えます。

メリット②|口コミの評価アップやSNS拡散による顧客獲得

お客様が「このお店、いつ来てもクオリティが最高だな」や「スタッフの対応が本当に良かった」と感じていただけた場合、SNSでのシェア率が向上します。

QSCを徹底することで自然と好意的な口コミが広がり、結果として広告に依存せずとも、新規顧客の獲得コストを抑えながら来店数を増やすことが可能です。

また、良いレビューはGoogleマップや食べログのアルゴリズム評価を押し上げるため、MEOでの検索結果の上位表示にも効果があります。

こういったサイクルが回れば回るほど、マーケティング費用をかけずにブランド力が勝手に育つという大きなメリットが生まれるため、QSCは非常に重要です。

メリット③|運営コスト削減と現場の生産性向上

QSCのマニュアル化は、多くのトラブルやクレーム対応も減らす事が可能です。スタッフへの研修やトレーニング効果や効率がアップすることで、新人教育のコストが下がります。

結果として、業務内においての無駄な動きや作業のムラが減り、トラブルやお客様からのクレームが少なくなります。

現場のスタッフはより効率的にお客様へ対応ができるうえ、店長も数字管理に追われず経営に専念できるのも大きなメリットです。

近年新たに登場している応用QSC

パソコンとコーヒーとメモ帳

そして近年では、顧客の価値観の多様化に対応していくため、QSCに新たな要素を掛け合わせた「QSC+α」という考え方も広がってきています。

中でも注目されているのが以下の3つです。

QSC+H(Hospitality:ホスピタリティ)
QSC+A(Atmosphere:雰囲気)
QSC+V(Value:価値)

それぞれの意味と活用イメージを詳しく解説します。

QSC+H(Hospitality)

ホスピタリティとは、「心からのおもてなし」や「思いやりの気持ち」を意味します。

これは接客スキルだけではなく、お客様の立場に立って“気づいて動く”ことを重視する視点です。

たとえば、以下のような細やかな心配りが、他店との大きな差別化になります。「また来たい」と思ってもらえる店づくりに欠かせない、大切な価値観です。

● お客様がメニューに迷っていたら、おすすめを伝えてみる
● 小さなお子様連れの方には、食器や座席を柔軟に対応する
● 天気の悪い日にご来店いただいたお客様へ、感謝の一言を添える

QSC+A(Atmosphere)

アトモスフィアとは「空間の雰囲気・空気感」を意味します。つまり、店舗に足を踏み入れたときの“印象”や“居心地の良さ”に直結する要素です。

主なチェックポイントは、以下のようなものがあります。

● BGMや照明の明るさ、インテリアの統一感
● 混雑時のストレスを感じさせない動線の設計
● お客様同士のプライバシーに配慮した席配置
● 季節感やイベントに合わせた演出(装飾・POPなど)

どれだけ料理が美味しくても、空間に違和感があると、再訪にはつながりにくいのが今の時代です。『空間もサービスの一部』として捉える姿勢が大切です。

QSC+V(Value)

バリュー(Value)は、「価格以上に感じられる価値」や「納得感」を意味します。単純に安さを求めるのではなく、「このお店に来てよかった」と感じてもらえる体験全体がポイントです。

たとえば、下記のようなお客様が「満足」を感じられるよう、店舗全体で価値の届け方を工夫する必要があります。

● ボリューム・味・価格のバランスがとれている
● 提供スピードやホスピタリティに対して価格以上の満足感がある
● SNSなどで話題になる『ちょっと嬉しい仕掛け』がある

効率よくQSCに取り組むには

スマホを見て指をさしている様子

QSCチェックリストをひとつずつ見て、店舗で取り組むためには最初は多くの時間を費やすことになります。

QSCチェックなら、スマホひとつで完結できるチェックツールの「キロクル」がおすすめです。

QSCチェックならキロクルがおすすめ!

「キロクル」は、店舗のQSCチェックをスマホのアプリで簡単に実施する事ができます。

QSCチェックによって得られたデータをリアルタイムで集計し、自動でQSCデータをレポート化する事が可能です。

したがい、店舗での日ごとのレポート取りまとめや本部への報告作業は不要で、本部側は常にリアルタイムで店舗の状況を把握できます。

また、店舗チェックで改善が必要な内容は、アプリで改善指示と報告が可能で、本部側とも改善状況を即時共有できます。

「QSCを導入したいけど、時間がかかりそう」
「店舗を立ち上げたばかりで何をしたらいいか分からない」
「簡単なQSCチェックツールが欲しい」

といった方に特におすすめです。是非「キロクル」を導入してみませんか?

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QSCの基本と具体的な取り組み&チェック項目|まとめ

QSCとは、

【Quality:品質】
【Service:サービス】
【Cleanliness:クレンリネス(清潔さ)】

の3つの観点から、店舗の運営レベルを評価・改善するための重要な指標です。

これらをチェックリストなどを導入し徹底することで、お客様満足度が向上し、自然とリピートや口コミが増えるという好循環を生み出せます。

また近年では、ホスピタリティ(H)、雰囲気(A)、価値(V)といった新たな視点も加わり、店舗経営におけるQSCの重要性はますます高まっています。

QSCは「やったフリ」で終わらせず、チェックの仕組みを整え、スタッフの意識と行動に根づかせることが成功のカギです。

「お客様に選ばれる店」であり続けるために、QSCチェックツールを導入するなど、今日からできることから少しずつ始めていきましょう。

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