「利益率を上げたい」「顧客が少なくて悩んでいる」など、飲食店の経営層の悩みは様々です。
この記事では、飲食店経営における重要な指標である「営業利益率」を中心に、利益率を改善したい経営者や店長に向けて、利益率を上げるポイントを紹介します。
飲食店の利益率の相場や計算方法、経費の内訳、損益分岐点についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の利益率の相場は?

経済産業省の「商工業実態基本調査」によると、飲食業の売上高営業利益率の平均が約8.6%とされています。
また、業界別の営業利益率の相場は、詳細な数値が公表されていないため参考値となりますが、おおよそ以下の通りとされています。
| 飲食店全体 | 8.6% |
|---|---|
| カフェ | 5~10% |
| 居酒屋 | 1~5% |
| ファミレス | 0.5~6% |
出典元:売上高営業利益率|商工業実態基本調査|経済産業省
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安定した店舗運営をするには相場以上の利益率を上げる必要があると言えるでしょう。
飲食店の利益率は3種類に分けられる
飲食店の利益率には、「粗利益率」「営業利益率」「純利益率」の3種類があります。
それぞれ意味が異なるため、区別について紹介しながら、経済産業省の調査をもとにご紹介します。
粗利益率
粗利益率は、売上から原価(材料費など)を差し引いた後に残る利益の割合を示す指標です。
飲食店では原価率を抑えられる業態が多く、粗利益率は50%台〜70%前後になるケースが一般的です。
経済産業省の調査では飲食企業全体の売上総利益率(粗利益率)は55.9%と公表されています。
出典:売上総利益率|商工業実態基本調査|経済産業省
営業利益率
営業利益率は、売上に対して本業の営業活動によりどれだけ利益が出ているかを示します。
経済産業省の商工業実態基本調査では、飲食企業全体の売上高営業利益率の平均が約8.6%と報告されています。
出典:売上高営業利益率|商工業実態基本調査|経済産業省
純利益率
純利益率は、売上に対して最終的に手元に残る利益(税金や利息等を含めた後)の割合を示す指標で、営業利益率よりさらに低い水準となるのが通常です。
具体的な全国平均データは業態・規模・経営状態によって大きく異なるため、一概に一定の数字を示す公式統計はありませんが、一般的には数%台程度とされています。
飲食店の利益率の計算方法

利益率を上げるためには、まず現状の利益率を知る必要がありますが、利益率は一口にいっても様々な基準や計算方法があります。
利益率の計算に必要なデータは以下の通りです。
| 売上高 | 一定期間の売上総額 |
|---|---|
| 売上原価 | 原材料費や仕入代金など、売れた商品の仕入れ・製造にかかった費用 |
| 営業経費 | 人件費、賃貸費用など営業活動にかかった費用 |
| 非営業経費 | 税金、支払利息など本業外で恒常的にかかる費用 |
| 粗利益 | 売上高から売上原価を引いた額 |
| 営業利益 | 売上高から売上原価と営業経費を引いた額 |
| 純利益 | 売上高から売上原価と営業経費と非営業経費を引いた額 |
これらを基に、それぞれの利益率の計算方法について詳しくまとめてみました。
粗利益率の計算方法
まずは、粗利益率の計算方法です。
粗利益率(%)=(粗利益/売上高)×100
例えば、売上が100万円で売上原価が30万円だった場合の粗利益は70万円になります。
その場合の粗利益率を計算すると(70万円/100万円)×100で、粗利益率は70%と算出できます。
粗利益率が高いほど原材料のコストパフォーマンスが優れており、粗利益率を計算することで「商品・料理そのものの儲けやすさ」を知ることができます。
営業利益率の計算方法
次に、営業利益率の計算方法です。
営業利益率(%)=(営業利益/売上高)×100
例えば、売上が100万円で売上原価が30万円、営業経費が60万円だった場合、営業利益は10万円になります。
その場合の営業利益率を計算すると(10万円/100万円)×100で、営業利益率は10%です。
営業利益率が高いほど効率的に利益を出していることになり、低いほど経費が過度に掛かっていることになります。
営業利益率を計算することで、「人件費や家賃を含めた経営効率の良し悪し」が分かります。
純利益率の計算方法
最後に、純利益率の計算方法です。
純利益率 (%) = (純利益 / 売上高) × 100
例えば、売上が100万円で売上原価が30万円、営業経費が60万円、非営業経費が5万円だった場合、純利益は5万円になります。
その場合の純利益率を計算すると(5万円/100万円)×100で、純利益率は5%です。
純利益率を計算することで、「事業全体としての最終的な収益性」を測ることができます。
飲食店の経費の内訳は?

飲食店の利益率を計算する際、経費を把握することは欠かせません。
先述した通り、経費には「営業経費」と「非営業経費」の2種類があります。
- 営業経費
- 地代家賃や人件費など日々の営業するために直接かかる費用
- 非営業経費
- 主に支払利息など営業には直接関係しない費用
ここでは、営業努力でコントロールしやすい営業経費について、いくつかご紹介します。
地代家賃
地代家賃は、売上の増減に関わらず恒常的に発生する費用です。
毎月かかる経費のため、物件選定時は妥当な金額か十分に検討する必要があります。
飲食店において、売上に対する地代家賃の割合は10%が目安とされています。
売上見込みをよく検討した上で、地代家賃が売上の10%以内の物件を選びましょう。
人件費
飲食店を経営するためには、人件費は欠かせません。
人件費には給与・福利厚生費・教育費・社会保険料が含まれます。
適正な給与を支払うことはスタッフの定着率向上やモチベーション向上にもつながります。
飲食店において、売上に対する人件費の割合は25~40%が相場とされています。
原材料費
原材料費は、飲食店で提供する料理に使う食材・飲料の費用であり、食材費・飲料費・調味料費などが含まれます。
この費用はメニューの変更や仕入れ先の選定、食材の供給の増減によって大きく変動します。
飲食店の原材料費は売上の30%前後が相場です。
水道光熱費
水道光熱費は、水道代・電気代・ガス代など、飲食店に欠かせないサービス料金です。
これらの費用は、店の忙しさや地域、時期によって金額にかなり差が出ます。
飲食店の水道光熱費は他業種より多くなりやすいため、水の出しっぱなしを禁止するなど、小さな工夫で少しずつ経費削減することが大切です。
飲食店経営において、水道光熱費は売上の3~6%前後が相場とされています。
販促費用
販促費用は、店舗の広告宣伝にかかる費用で、グルメサイト掲載費、HP製作費、チラシ制作費などが含まれます。
集客と新規顧客の獲得のためにも、効果的に販促費用を使いましょう。
飲食店経営において、販促費用は売上の3~5%前後が相場です。
飲食店の経営に重要な損益分岐点とは

飲食店経営では、利益率と同様に「損益分岐点」が重要となります。
損益分岐点とは、売上高と経費がちょうど同じになり、利益も損失も出ない売上額です。
損益分岐点を計算することで、「この金額を超えれば利益を出せる」という売上額を知ることができます。
利益を出して効果的に飲食店を運営するために、損益分岐点を把握しましょう。
損益分岐点の計算方法
飲食店の損益分岐点を計算するには、「固定費」と「変動費率」 の2つのデータが必要となります。
固定費は地代家賃や基本人件費など売上に関係なく発生する費用。
変動費率は原材料費や売上連動人件費など売上に比例して増減する費用の割合です。
損益分岐点の計算式は以下の通りです。
損益分岐点売上高=固定費 ÷ (1 − 変動費率)
例えば、月間の売上高が200万円で固定費が30万円、変動費率が30%の場合、損益分岐点売上高は30万円÷(1-0.3)=約42.9万円になります。
飲食店の利益率を上げるポイント

利益率と損益分岐点を把握したら、利益率向上の施策を検討しましょう。
利益率を上げるためには、経費削減と売上増加が必要です。
飲食店の利益率を上げるポイントを4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
原材料費を抑える
飲食店の経費の中で、原材料費は削減しやすい経費です。
まず仕入れ商品・食材の見直しと仕入れ先の選定を検討しましょう。
現在の商品・食材に劣らない品質で、より安いものを見つけることを目標にしましょう。
同じ商品や食材でも、仕入れ先によっては価格が異なることがあります。
値段交渉によっても値段は変えられますので、品質を維持しながら経費削減を進めましょう。
人件費の削減
飲食店の経費において、人件費は大きな割合を占めます。
人件費の削減のためにはオペレーション改善とシフト見直しが必要です。
オペレーションの簡略化を行うことで作業工程が減り、必要人員の削減にもつながります。
また、ピーク時間とアイドルタイムを把握し、きめ細かくシフト調整することで人件費削減にもつながります。
ただし、過度な人件費削減は顧客満足度低下やスタッフ不満につながるため、慎重に検討して必要な削減のみを進めましょう。
メニューの見直し
注文データの集計やアンケートを取って、あまり人気のない低利益のメニューを削ることは、利益率アップのために重要です。
ABC分析などを駆使して検討すると良いでしょう。
高利益メニューとは食材原価率が低く調理工程がシンプルな一品メニューなどが該当し、低利益メニューは逆に肉料理・刺身・寿司などの高級食材を使ったものが多いです。
ただし低利益メニューは集客力が強いため、人気商品は残しておくことをおすすめします。
顧客満足度の向上
売上アップのためには、顧客満足度の向上が鍵となります。
顧客満足度向上によりリピーター増加と口コミ集客が期待できるため、大規模な販促費をかけずに集客できます。
顧客満足度向上のためには、QSCを向上させましょう。
QSCとはQuality(品質)・Service(サービス)・Cleanliness(清潔さ)の頭文字で、飲食店経営の重要な指標です。
現在のQSCをチェックし改善することで、店舗の底上げを目指しましょう。
QSCチェックツール「キロクル」で顧客満足度向上を目指す

飲食店で利益率を上げるには顧客満足度向上、ひいてはQSC向上が欠かせません。
QSC改善を効率的に行うためにおすすめしたいのが、QSCチェックツール「キロクル」です。
「キロクル」はスマートフォン一つで店舗のQSCチェックが簡単に実施できるツールです。
最後に、「キロクル」の魅力を紹介します。
QSCの状況をデジタルで管理できる
「キロクル」ではQSCチェック結果をデジタルで管理できます。
スマホアプリでQSCチェックを実施するだけで自動レポート出力され、SVや本部との情報共有が便利です。
また、デジタル管理により、過去のQSC状況との比較から改善進捗と今後の課題が一目で分かります。
さらに、導入したことで従来のQSCチェック作業時間を70%も削減できた会社もあるなど、業務効率化にも役立ちます。
QSCの状況をデジタルで管理し、より効率的に改善を進めましょう。
アンケート機能も搭載
「キロクル」にはアンケート機能も搭載されています。
お客様のアンケート結果は自動集計・分析され、リアルタイムで「キロクル」ダッシュボードに反映されます。
お客様からの指摘を反映し、SVや本部から即座に改善指示が出せるため、効果的に顧客満足度が高められるのも「キロクル」の魅力です。
すでに多くの企業で取り入れられており、使いがっての良さが好評を得ています。
飲食店の利益率の相場や計算方法|まとめ
今回は、飲食店の利益率の相場から、利益率の計算方法や損益分岐点の概要、利益率を上げる方法について解説しました。
利益率を上げるためには現状の利益率を知ることが大切なので、ぜひ今回紹介した計算方法で自分のお店の利益率を計算してみてください。
また、利益率向上のためには無駄な経費を削減して売上を上げる必要があり、QSCを改善して顧客満足度を向上させることが大切です。
今回ご紹介した「キロクル」を導入して、より効率的にQSCを改善しましょう。

