飲食店でアンケートを実施している店舗は多いものの、本部の指示に従って形式的に実施しているだけというケースも少なくありません。
一見軽視されがちなアンケートですが、効果的に活用すれば、売上改善や、経営が傾いた店舗の再起につながる可能性もあります。
この記事では、飲食店の経営に課題を感じている方や、アンケートの効果的な取り方を知りたい方に向けて、お客様からアンケートを取る必要性や取り方のポイントを解説します。
あわせて、アンケート実施後の分析方法や売上改善への活かし方についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
飲食店のアンケートは必要?アンケートを取る目的とは
お客様のニーズに合った最適な商品・サービスを提供し、安定して売上が伸びている飲食店を目指すのなら、アンケートを取ることは必要です。
明確な目的を持ってアンケートを実施することは、売上に大きな影響を与えます。
ここでは、飲食店でお客様からアンケートを取る目的をご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
顧客満足度を知ることで店の課題を明確にする
アンケートを取る目的の1つは、お客様が店のサービスや商品にどの程度満足しているかを知ることで、店の課題や問題を明確にすることです。
自分たちで課題を見つけて改善することも重要ですが、主観だけでは発見できない課題や問題もあります。
「子ども向けの料理が少ない」「車椅子だと通路が狭く利用しにくい」などお客様の客観的な意見を集めることで、お客様のニーズに合った改善をしていくことが可能です。
顧客情報を収集して販促につなげる
アンケートでお客様の年代や性別など顧客情報を集めてメインの客層を知ることも、飲食店のアンケートの目的の1つです。
メインの客層を把握することは、お客様のニーズに合ったメニュー開発やキャンペーン開発に役立ちます。
店のブランディングにも関わることなので、アンケートを取ることは売上UPのための重要な施策と言えるでしょう。
面白いアンケートで知名度UPを狙う
アンケートはお客様の意見や不満を把握して店舗を改善するために必要なものですが、知名度を上げる目的でアンケートを取ることもあります。
ビールで有名なアサヒグループホールディングス株式会社は、「もし生まれ変わったら?」というユニークなテーマでアンケートを取り、一部の界隈で話題となりました。
飲食店のアンケートの取り方は?アンケートの種類
飲食店のアンケートの取り方は「口頭」・「紙」・「デジタルツール」の3種類が主流です。
これまでは紙のアンケートが一般的でしたが、最近はIT技術の発展により、タブレット端末やQRコードなどデジタルツールを使ってお客様からアンケートを取る方法も増えてきました。
取り方によってメリットやデメリットがあるので、ここからそれぞれのアンケートの取り方について詳しく解説していきます。
取り方①口頭でアンケートを取る
店員が直接お客様の意見を聞く方法も、アンケートの取り方のひとつです。
この方法は「質問の内容を臨機応変に変更できる」「すぐに意見や感想を知ることができる」などのメリットがあります。
ただし、「お客様が本音を言いにくい・多くの質問ができない・店が忙しい場合はアンケートを取れない・集計に手間がかかる」などデメリットも多いです。
取り方②紙でアンケートを取る
最近はデジタルツールでアンケートを取る店が増えましたが、紙のアンケートを使う店舗もまだ多いです。
紙のアンケートは、デジタル機器の操作が苦手な方にも回答しやすいという点がメリットです。
一方で、「設問の変更が難しい・準備や集計が大変・紙やペンを用意するコストがかかる」などのデメリットもあります。
取り方③デジタルツールでアンケートを取る
タブレット端末やQRコードなどを使ってデジタルツールでアンケートを取る方法は、最もおすすめなアンケートの取り方です。
最初のセッティングさえ済ませれば準備の手間もありません。
デジタルなら、「集計が簡単」「設問の変更が容易」「店外でも回答可能」など多くのメリットがあります。
ただし、「QRコードの読み取りが煩わしい」「導入に初期費用がかかる」といったデメリットも挙げられます。
アンケートで最低限抑えたい項目は?取り方のポイント
ここまで飲食店のアンケートの取り方をご紹介してきましたが、ここからはアンケートの内容について解説していきます。
飲食店によってアンケートの内容は異なってきますが、最低限知りたいのは来店のきっかけ・メニュー・接客・店の印象・顧客情報・店の信頼度の6つです。
これらの6項目を押さえることで、売上の改善に繋がります。
- 来店のきっかけ:来店の理由や店を知ったきっかけ
- メニュー:商品の味や量について
- 接客:スタッフの態度や対応について
- 店の印象:店のレイアウトや清潔感について
- 顧客情報:お客様の年齢や性別など
- 店の信頼度:他人に勧めたいと思うか?
簡単な質問にして回答は具体的な選択肢を用意する
アンケートの質問を「お店の雰囲気はどうでしたか?」など簡潔かつ短い質問にすることは、お客様のストレスを減らして回答率を上げるための大事なポイントです。
さらにアンケートの回答欄を「良い・普通・悪い」など具体的な選択肢にすることで、お客様の考える時間を減らすだけでなく、アンケートの集計がしやすくなります。
より細かい意見を知りたい場合は、「良いと書かれた方に質問です。どんなところが良かったですか?」など質問を分岐させたり、アンケートの最後にお客様が自由に感想や意見を入力できる自由欄を用意するのがおすすめです。
アンケートの中にNPS®も導入する
NPS®はネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score)の略で、商品やサービスがどの程度「支持」されているかを測る指標です。
具体的には「このお店を家族や友人に勧めたいと思いますか?」などの質問をアンケートに加えることで、店に対する信頼度や愛着度を知ることができます。
NPSは販促に大きく影響する指針でもあり、NPSをアンケートの項目に加えることでリピート購入や新しいお客様獲得にも繋がります。
NPSと顧客満足度の違い
顧客満足度は、お客様が満足しているかを問うもので、必ずしも「リピート購入=売上」につながるものではありません。
一方で、NPSは「このお店を家族や友人に勧めたいと思いますか?」という質問から分かる通り、販促につながる内容で、顧客満足度よりも売り上げに影響します。
飲食店のアンケートは取った後も大切!QSCと比較する
飲食店のアンケートは取るだけでは意味がなく、アンケートを取った後が大切です。
ここからは、飲食店でアンケートを取った後、その結果をどのように活用し、売上UPに繋げていけばいいのかを解説していきます。
アンケート結果を売上改善に繋げるには、SV(スーパーバイザー)やAM(エリアマネージャー)が実施する「QSCチェック」結果と比較することが重要です。
ここからは、そもそもQSCとは?というところから、QSCとアンケート結果を比較することについて、詳しく解説していきます。
QSCは飲食店経営において大切な指標
QSCは「Quality(品質)・Service(サービス)・Cleanliness(清潔さ)」の頭文字を合わせた単語で、飲食店の経営において基本かつ大切な指標です。
QSCはコロナ以降からより注目されるようになり、株主総会では、株主に対して会社が「QSCを満たしている」ことをわざわざ示すほど重要視されています。
QSCの具体的な項目は以下の通りです。
- Quality(品質):メニューの味や見た目、温度、量、価格など
- Service(サービス):商品の提供スピード、お客様への対応、接客など
- Cleanliness(清潔さ):店舗全体の清潔さ、スタッフの身だしなみなど
QSCとアンケート結果を比較するのが大切
店舗のQSCは、SV(スーパーバイザー)やAM(エリアマネージャー)が「床が汚い・接客態度が悪い」などのようにチェックします。
QSCチェックを繰り返して改善を図るのが一般的ですが、アンケート結果と比較することで、より効果的な改善に繋げることが可能です。
例えば、SVの「商品の量が少ないから増やす」という指示に対応した際、「店舗側としては量を増やして改善したつもりだったが、お客様の立場からしたら不満だった」などの事態にも迅速に気づき、改善へ繋げられます。
QSCとアンケート結果を比較するならキロクルの導入がおすすめ
QSCとアンケート結果を比較するのは飲食店経営において大変効果的ですが、紙や口頭などアナログなアンケートの取り方だと、結果の集計に大変手間がかかります。
また、QSCチェックすること自体も、紙などでチェックすると項目の多さなどから継続して行うのが難しいです。
QSCとアンケート結果を比較するのであれば、どちらも一括で管理できる「キロクル」を導入してみることをおすすめします。
キロクルで本部と店舗の情報共有がスムーズになる
キロクルはアンケートの自動収集機能やQSCと比較できる分析機能はもちろん、「ワンクリックでレポート作成が可能・アンケート結果はリアルタイムでキロクルに反映」など、役立つ機能が多く搭載されています。
また、本部から店舗へ、アンケート結果を受けての改善指示を送ることもできるため、本部と店舗の情報共有がスムーズになることも大きな特徴です。
まとめ|飲食店のアンケートは必要?アンケートの取り方
この記事では、飲食店でアンケートを取ることの必要性からアンケートの取り方や取り方のポイントを解説してきました。
アンケートは、売上向上に向けた重要な施策の一つです。
また、アンケートの結果とエリアマネージャーやSVがチェックするQSCを比較することで、店側の意識とお客様の意見をすり合わせ、より良い店舗へ改善することができます。
紙などのアナログ手法でアンケートやQSCを管理するのは手間がかかるため、両方を一括で管理できるキロクルの導入を検討してみてください。